青春時代を思い出させてくれるスピーカー

昔はよく、オーディオといい、真空管のアンプだのターンテーブルのプレーヤーだのとステレオで音楽を聴くのに、とにかくマニアックな人が多かったように思いますが、今はどうなのでしょう?今でも高額なステレオを売っているわけだから、その道の趣味人は健在なのでしょうか。

若いころ、最新のスピーカーの聞き比べをさせてくれるオーディオ専門店が近所にあり、よく好きなレコードを持参して聞かせてもらっていました。でも、これはいいなあと思うスピーカーはどれも高価で、貧乏な大学生だった自分には、手の届かない物たちばかりでした。

そんなスピーカーに交じって、なにか風貌がよそと違い、苦学生にも手が届く価格のものが展示されていました。「ボウズ」です。横長の、昔のラジオを思い起こさせるような形に、斜めにあらぬ方向を向いたツイーター。店の人にどんなスピーカーかと尋ねると、どうもプロに受けていてスタジオのモニターに使われているようだ、という答えでした。

じゃ聞かせてよ、と頼んで、女性ボーカルのレコードをかけてもらいました。度肝を抜かれました。つややかでくせのない中音の音色に心を奪われました。小さいのにバスレフの低音も響きます。今では、もうそのスピーカーは壊れて、鳴らない置物になっていますが、それを見るたび、若いころのいろいろが思い出されます。